定年後は、住まいの見直しを考えるいいタイミングです。老後の住まいとしてマイホームを購入したいものの、ローンや資金面に不安を抱える方も多いのではないでしょうか。
今回は、定年後に家を買うときのメリットや注意点について紹介します。
老後に向けて家を購入することに不安のある方は、ぜひご参考になさってください。

定年後に家を買うのが不安な理由

まず、定年後に家を買うのが不安になる理由には、どんなものがあるのでしょうか。

資金計画に問題がないかが不安

マイホームの購入には、まとまった資金やローンが必要です。
また、マイホームでも維持費や管理費、固定資産税やリフォームの必要性が出てくるなど、出費がかさむ可能性も少なくありません。
定年後の基本的な収入は年金となるため、資金計画に少しでも問題を感じれば不安を覚えてしまうでしょう。

年をとっても住みやすいかどうかが不安

定年後に購入するマイホームは、老後の住まいとして問題がないかも考える必要があります。
年が若いうちは健康に問題がなくとも、年を重ね高齢になるにつれて体が不自由になったり、介護が必要になったりすることも考えておかなければなりません。
そのため家を購入する際、急な坂道や階段がなく身体的な負担が少ないかどうか、買い物や病院に通いやすいかどうかなど、将来的にも住みやすい環境かどうかがわからず不安になってしまうのです。

定年後に家を買うメリット

では、老後に家を購入することには、どんなメリットがあるのでしょうか。

今より快適に暮らせる可能性がある

現役時代に住んでいた家は、老後、夫婦だけになったとき、広くて使いにくかったり、職場には近いが住みやすい環境ではない、という可能性もあります。
また、賃貸に住んでいた場合、バリアフリー対応でないと住みづらいなどの問題もでてくる可能性もあります。

家を購入する場合、今の自分達に丁度いいサイズの家に住み替えられる、自分たちが住みやすいエリアに住めたり、自分たちに住みやすくなるようリノベーションが可能です。
もちろん費用はかかりますが、長く暮らす家を自分好みに変えることができれば、快適な空間で毎日を過ごすことができるでしょう。
特に、少しずつ体が不自由になっていく中で、バリアフリー構造の暮らしやすい環境に変えられる点は大きいです。

相続税対策になる可能性がある

相続した財産から基礎控除額を引いたものに課せられる相続税ですが、マイホームを持つことが相続税対策になり、節税できる可能性もあります。
それが「小規模宅地等の特例」と言われるものです。
条件を満たせば、土地の相続にかかる税金を8割と大幅に抑えることができます。
たとえば、通常の評価額が1億円の土地でも「小規模宅地等の特例」に該当する場合、相続税の課税は2000万円まで抑えられる可能性があります。

大幅に課税額を抑えられる分、特例に該当するための細かい条件を満たすことが必要です。
相続税対策を見越して家を購入する場合、事前にどんな条件があるのかを必ず確認しておくようにしましょう。

定年後に家を買う際の注意点

最後に、定年後に家を買う際の注意点について紹介します。

老後の生活資金も踏まえた資金計画を立てる

家を購入するとなると、どうしても買うときのことに意識が集中してしまいがちです。
しかし実際は、老後の生活資金も踏まえた資金計画を立てておく必要があります。

住宅ローンを組む場合、基本的には80歳までに完済しなければならない場合がほとんどです。
ローンを組める年数が短くなるほど、毎月負担する金額は多くなります。
また、生活費のほかにも健康上の問題で医療費、介護費などの費用がかさむ可能性も考えておかなくてはなりません。
基本的な収入は年金がメインになることも踏まえ、資金計画をしっかりと立てておくことが必要です。不安な場合は一度、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談してみるのもいいでしょう。

老後ならではの問題にも対処できる家を選ぶ

家を購入する際は、なるべく老後ならではの問題に対処できる家を選ぶことをおすすめします。
たとえば、あまりにも買い物や通院に不便な立地や、段差や階段の多い家などは、年を重ねて体が不自由になるにつれて、だんだんと住みづらくなっていくでしょう。

定年後のマイホームは、そこで老後を長く暮らすことが見込まれます。
老後の生活や状態をできる限り見据えて、快適に過ごせるような家を選ぶことがおすすめです。

メンテナンスの労力やコストも確認しておく

マイホームに不可欠なのが、メンテナンスです。
マンションであれば管理人が担う役割ですが、自分の家の場合はもちろん自己管理・維持が不可欠です。老朽化によるものはもちろん、台風や地震などの災害で突然修繕が必要になることも考えられます。

メンテナンスに労力やコストがかかることを認識せずに家を購入してしまうと、突然何か起こったときにすぐ対処できなかったり、思わぬ出費に困ったりすることになりかねません。
いつまでも快適な住まいを維持するためにも、メンテナンスに対する労力やコストについても、購入時から念頭に置いておきましょう。

定年後に家を購入することには、メリットもデメリットも存在するため、選択は人それぞれです。
まずはしっかりと資金計画を立てた上で、自分や家族の希望も踏まえて最適な選択ができるようにしておくとよいでしょう。
定年後に家を買いたいという方は上記を参考にしてみてください。

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