将来的に、自身や家族の老人ホームへの入居を視野に入れているものの、入居までに何をすればいいのかわからない方は多いかもしれません。
急な入居を検討する必要が出てきた場合などを踏まえ、できるだけ早めに把握しておくことが大切です。
今回の記事では、老人ホームに入居するまでの流れについて紹介します。
施設を選ぶ段階から入居手続き、入居開始まで詳しく解説しますので、参考にしてみてください。

老人ホームに入居するまでの流れ

さっそく、老人ホームに入居するまでの流れについて見ていきましょう。
施設によって入居までの流れに違いはありますが、ここでは一般的な流れについて説明します。

入居できる老人ホームを探す

老人ホームは、入居される方の状態や、提供されるサービスにより、いくつかの種類に分けられます。
要介護の方を対象とし、介護サービスが受けられる「介護付き有料老人ホーム」。幅広い方を対象とし、高齢者に対する生活支援が受けられる「住宅型有料老人ホーム」。介護不要の方を対象とした「健康型有料老人ホーム」などの種類があり、施設の種類により入居条件が異なります。

希望に合う施設を絞り込むために、自分がどんなサービスや環境を望むのかを明確にしましょう。
介護・医療面で受けたいサポート、食事、場所や広さなど、家族とも相談しながら具体的に考えてみてください。
また、資金計画と照らし合わせ、予算を設定しておくことも大切です。
気になるところを見つけたら、積極的に資料請求を行うのもよいでしょう。

施設の見学や体験入居をする

希望に合いそうな施設を見つけたら、実際に見学に行きます。
施設内の雰囲気や清潔感、スタッフの対応などを見て、穏やかな毎日が過ごせそうか想像してみるといいでしょう。
中には体験入居ができたり、施設の食事を試食できたりするところもあります。
体験入居に関しては基本的に有料で、1泊2日から1週間、1ヶ月など、施設によって異なります。
一度入居してみると具体的なイメージが湧き、細かいところまで見て判断できるでしょう。

見学や体験に訪れるまでの準備として、施設で確認したいことや知りたいことを最初に考えておくことがポイントです。
入居前に訪問できる貴重な機会となるため、大事な情報を逃さないように気になる部分を確認しておくとよいでしょう。

入居の契約

入居したい施設が決まれば、入居契約に入ります。
「入居したい」と伝えてから、すぐに入居できるわけではありません。
施設側からの入居審査や準備期間があるため、入居したいと伝えてから実際に入るまでは1ヶ月前後かかるでしょう。

また、契約には書類などの準備も必要です。
一般的には利用申込書、健康診断書、保険証、印鑑のほか、連帯保証人・身元引受人となる人の印鑑などが必要になる場合があります。
さらに、住所変更を行う場合は戸籍謄本や住民票も必要になるでしょう。

そして契約を行う前に、契約内容はしっかりと確認しておかねばなりません。
特に料金やサービスに関しては、正しく理解しておかなければ後々トラブルになりかねません。
家族などに付き添ってもらいながら、よく確認した上で契約するのがよいでしょう。

入居

契約を終え、入居日が決定すれば、持ち物の準備や自宅の整理を行いながらその日を待ちます。
どんな施設かによって、必要になるものは異なります。
後ほど詳しく説明しますが、必ず事前に何が必要かを施設に確認しておくとよいでしょう。

老人ホームの入居までに必要なこと

次に、契約を交わしてから、老人ホームの入居日までに必要な準備について詳しく紹介します。

持ち物の準備

入居に必要な持ち物は、施設ごとに違いがあります。
ベッドやテレビ、洗濯機、冷蔵庫などの家具を持ち込む必要があることも少なくありません。中にはレンタルできたり、共用で利用できたりすることもあります。
家具の持ち込みが求められる場合、運送業者などの手配も必要になるでしょう。

細かい持ち物としては、衣服や靴、パジャマ、タオル、コップなどの食器類などが挙げられます。
後で余計だったということがないように、事前によく確認しておきましょう。

今住んでいる部屋の片づけ

老人ホームへ入居するとなると、今まで住んでいた部屋も片付けなければなりません。
持ち物が決まったら、部屋に残るものをどう処理するかを考える必要があります。
一人で行うのは難しいため、家族や信頼できる人の手を借りながら、時間をかけてじっくり進めるのがおすすめです。

遺品や財産の生前整理

部屋を片づけることをきっかけに、遺品や財産の生前整理を始めるのもいいかもしれません。
物に関しては不用品を処分しながら、価値のあるもの、形見として残したいものなどを仕分けていきます。
お金に関しては、預貯金、保険や不動産など、資産状況を把握しておくのがよいでしょう。

入居に向けて生前整理を行うことは、将来的に何かあったときに、誰に何を頼むのか、遺品を誰にどう託すのか、どんな財産があり、どう相続するのかを考える良い機会になるかもしれません。

住所変更手続き

老人ホームへ入居する際、住民票を移す住所変更手続きが必要になるのが一般的です。
少し不安があるかもしれませんが、メリットもあります。郵便物を施設で受け取ることができるだけでなく、介護保険料・国民健康保険料が安価になる可能性があります。

しかし、住所変更は義務ではありません。
特に保険料に関しては、転居することでさらに高くなる可能性もあります。また、短期的な入居の場合など、変更する手間のほうが大きくなる場合もあるでしょう。
住所変更手続きに関しては、入居時に施設の担当者に詳しく話を聞くことをおすすめします。

老人ホームの入居は「入りたい」と思ったときにすぐ実現できるわけではありません。
検討、契約、準備それぞれにしっかりと時間をかけ、慎重に行うことが、後悔のない入居につながります。
老人ホームに入居するまでの流れについては上記を参考にしてみてください。

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